家族が和気あいあいとしている様子

家づくりのコンセプト

サエラ暮らし研究所の家づくりストーリー

サエラ暮らし研究所の現在の家づくりが始まったきっかけをご紹介します。

きっかけは長女の誕生から

私が建築業界に足を踏み入れたのは”長女の誕生”がきっかけでした。
それまでは転勤が当たり前のサラリーマンとしてそれなりに出世街道を歩いていました。
しかし、生まれたての長女の顔を見た瞬間に「ちゃんとこの子の故郷を作ってあげたい」と思い立ち、会社を退職して建築業を営む妻の実家に引っ越し、私自身も建築業へ転身しました。

リビング

京都への移住、そして建築業界に参入

「家族のため」と格好つけたものの、実際は京都の地理や方言もわからない中で慣れない仕事で生計を立てなければならず、はじめのうちは不安だらけでした。
建築に関して大した知識も資格もなく、そのうえ現場の工事を全く知らないため、施工部門で現場経験を積むことになりました。

毎日現場に詰める中で、職人さんや現場に入る様々な施工業者の親方さん達にいろいろ教えていただき、机上の空論ではない、実学としての建築を身につけていきました。
仕事を通して地域の人との温かい交流もあり、私は徐々に京都に馴染んでいきました。

その頃一つ大きな問題がありました。それは長女がアトピー性皮膚炎を患い、長い間病状に苦しめられていたことです。私は「苦しむ彼女をどうにかしたい」と方々の病院でみてもらったのですが、根治に至る決定的な治療法や治療薬に出会えずにいました。

外観

シックハウスと健康住宅

そんな折、仕事で”シックハウス”の存在を知ることになりました。
シックハウスとは有害物質が含まれる建材が使用されていたり、雑な施工方法で建てられた家が経年劣化によってカビ等の温床になってしまい、その結果、住人に有害な影響を与えてしまっている家のことです。

「長女のアトピー性皮膚炎の原因はシックハウスにあるんじゃないか?」と考えた私は、天然・自然素材の建材を使用した健康住宅を建てることにしました。
「健康住宅を建てれば、長女のアトピー性皮膚炎が治る。」、そんな保証はどこにもありませんでしたが「少しでも長女のために何かしてあげたい。」という一心で健康住宅を建てました。

和室

”娘のアトピーを治してあげたい”という親心が使命感に変わる

健康住宅に移り住んだところ、長女のアトピー性皮膚炎は徐々に回復に向かいました。医療機関でも無理だったことが起こったので、正直驚きました。やがてその驚きは「健康住宅を普及させる」という使命感へと変わりました。

近年は生活スタイルの変化に伴い、建築業界を取り巻く環境や家づくりに大きな変化が起こっています。具体的に言えば、まずマンションが増え、住宅も洋式なものが増えました。その過程で多くの新しい建築素材も生み出されました。

現代の家づくりの課題点と私たちの使命

多種多様のニーズに応えるべく発展した建築業界ではありますが、同時に日本に古くから伝わる素晴らしい技法も失われつつあります。
コスト削減や完成期間の短縮を主として建てられた家は特にその傾向が顕著に現れます。

日本の家

現代の家づくり

例えば「南向き」をうたう邸宅があったとします。しかしその邸宅は本当の意味で「南向き」ではないかもしれません。
昔は家の基礎をつくるところから、接している道路のうねりまでちゃんと計算して「南向き」の邸宅を建てていました。

ところが近年の建売住宅の場合だと、土地の向きや大きさが先に決まっています。
その土地や分譲地に相場に合った建物を建てていくのが「建売住宅」です。また、「注文建築」と言ってはいるものの、その実は「規格住宅」でいろいろな制約が決まっているものも多くあります。
これだと「南向き」の家とは呼べず、「南の方を向いている」家となってしまいます。

外観

日本の風土と家づくり

「向きなんて少しくらいいよ」と思うかもしれません。しかし、本当に重要なのは向きは向きでも”風向き”です。日本の家づくりは風土的に”湿気”のことを無視できません。

風通しが悪ければ屋内に湿気がこもり、仮に吸湿性のある建材が使われていればカビの温床となってしまう恐れがあります。だからこそきちんと向きを計算して家づくりが行われるべきですし、使用される建材もきちんと考えて選ばなければならないのです。

全ての住宅がこのような施工方法を取っているとは言えませんが、こういった事例があるというのも事実です。他にもいろいろ家づくりの落とし穴はあるのですが、それを専門家以外が見つけるなんてことは到底不可能なことです。

代表 寳田

宝田直樹の使命

私の長女の人生、ひいては私の家族人生は家づくりによってガラッと変わりました。なぜなら、住宅というものは一生で一番高い買い物であり、一生に一度の買い物だからです。
その出来次第によって、人生に大きな影響を受けてしまうのは当然と言えば当然の話です。
​​​​​​​だから、誰だって失敗はしたくないですし、妥協もできません。

私は気候風土や歴史に支えられてきた日本の住宅建築を伝えていきたいと思っています。
​​​​​​​天然・自然素材、建築素材の地産地消・循環型素材を軸にして、良い素材を適正に使用した家づくりをしていきたいと考えています。

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